未来の記憶

美術館・博物館
04 /29 2013
目黒美術館で行われている「佐脇健一展 未来の記憶」に行ってきました。美術館でチラシを見て、なんだかそのチラシがとても気になって、モノクロの写真でどこかの施設のブロンズ模型でその空気感を感じてみたくて行きました。

Metal work ブロンズの模型(炭鉱だったり建物だったり)が風化したようにさびていたり割れた地面のような中にある作品。炭鉱にある鉄塔が使われなくなって傍にある工場とともに朽ち果てて立っている模型。それを俯瞰するように見ながら会場をまわると、普段は建物の中にいるのに外からみることによって、様々なものを広いスパンで考えるようになる。その時に思ったことが最初の印象と変わっていて、その違いについてまた考えた。ひとつの作品がチェルノブイリの石棺であることに気付いたら、作品の土台は殆どが棺の形をしていることに気付いた。その中心に窓辺に立っているようにも絞首刑台に立っているようにも見える人のオブジェがある。飛翔するようにも落下するようにも見え、でもやっぱり重い素材でできているから落下するんだろうなぁ、背中の部材みたいなのは到底羽にはならないなぁと思ったりした。

Video Installation 端島の作品がよかったです。軍艦島行きたいなぁ。端島はもう見た瞬間から一目で分かる形をしてるから、特に印象に残るのかなぁ。

人は変わる、考えも行動も中身も、でも棺は変わらない。チェルノブイリの石棺は老朽化が進み今年新たに覆いが作られることになったそうです。終わらない歴史が一つ日本でも始まってしまったのだと思いました。
スポンサーサイト

先祖になる

映画
04 /29 2013
「希望の国」という映画を観た後で、ドキュメンタリーを観なくてはと、思っていました。「希望のー」はとても良くて素晴しかったのですが、これだけではバランスが自分の中でとれないなと感じていて、震災のドキュメンタリー映画を探して「先祖になる」を新聞で観て観たいと思うようになりました。

ポレポレ東中野で上映されているこの映画を観てきました。陸前高田に住む半分農業半分きこりの佐藤さん、津波から半壊状態の家に住み続け、やがて自分の家を建て始めるまでのドキュメンタリー。最初佐藤さんは気丈に当時を語るけれど、町会や地元の人たち、家族との関わりの中で様々な表情や側面がみえてくる。
この映画観て、90で亡くなった祖父を思い出しました。頑固ででも筋は通ってる、最後まで自分のことは自分で、周りに迷惑はかけたくない、と思い続け動き続けていた祖父。佐藤さんは水さえあれば生きていけると言い、山で木を切り、津波で荒れた土地に蕎麦の種を蒔いて収穫してしまう。
自分の命が長くないと佐藤さんは家を建てたがる。陸前高田の大工の腕のよさを誉め、自分はきこりとしての誇りをもち、ヘルメットも被らず木を切り倒してゆく。新しい街つくりをしたがる行政の人とはおりあいがあわず、頑固な佐藤さんはどんどん話を進めてゆく。

町会での会話、嫁さんと妻との関係、町の若い人たちと近い人の関係、それらを観ているうちに徐々に佐藤さんという人柄が見えてくる。そして陸前高田に住む人たちの気質、誇り、優しさが伝わってきました。実家が陸前高田のお友達がいて、震災前よく実家の話を聞いていたのですが、ああこういう感じなんだと思い出しつつ観ました。「希望の国」は私にとってとても真実味のある映画だったのですが、この「先祖になる」は最初私ににはフィクションに見えました。佐藤さんは家の一階が津波で流されたのに笑ったり冗談言ったり、でも長男が亡くなった時の話をするときは涙をいっぱいためて、骨壷もなかったと咽の奥から搾り出すように話す、その時にほんとうの重みがずしんときました。
最初の「おはようございます」と挨拶する佐藤さんの目の前に広がるのは荒野でその向こうに海が見えて、そのワンシーンだけでも、観てよかったと思った映画でした。

夜と霧

まじめな本
04 /29 2013
もう月末です。
皆さんGWはいかがお過ごしですか。私は昨日現場に行ってあとは暦どおりのお休みです。…といっても何をしようか(笑)他の家族は予定があって忙しそうです。子供が大きくなると端午の節句もいまひとつもりあがりません(汗)大人しく部屋の掃除をしてましょうか…。

読んだ本

夜と霧――ドイツ強制収容所の体験記録
夜と霧――ドイツ強制収容所の体験記録V.E.フランクル 霜山 徳爾

みすず書房 1985-01-22
売り上げランキング : 1299


Amazonで詳しく見る
by G-Tools


やっと読みました。
家に20年近くあったんじゃないだろうか。自分にとっての課題図書としてずっと本棚の見えるところにおいておきました(別名は飾ってあったともいう)100分で名著という番組でとりあげられ、やっと重い腰をあげたというか、読みたいと思うようになった。
実は何回か挑戦したのですが、最初の解説で挫折してました。収容所の現実を読んでいると気持が塞いできて、読み続けることができなかったのです。今回なんとかがんばって読んでみました。本屋で新書のほうを立ち読みしましたが、新書のほうが読みやすいですね。もちろんこの本もいい。しかし解説が辛かった(こればかりです)歳をとり、遠く近く収容所の全体が自分でも受け止められる心構えができてきたのかもしれません。

読みたいと強く思うようになったのは、人が生きている意味というか生きているうえでの感情の意味というのをもっと深く自分で捕らえたかったから。こう生きてきて思うんですけど、しんどい時はしんどくないことや楽しい事を人は意識的に考え感じるようになる。辛いからこそ辛いと言わない。言えるほうがそれほどしんどくなかったり、限界だという人のほうが限界ではなかったりする。人は黙って耐えていると言葉にすることさえ耐えてしまう。アウシュビッツという特異な場所で起こったことは、きっと当時も今もこれからも、そこにいた人の真実は分からないと思う。でもだからこそ、繰り返し考えなくちゃいけない。分からないことが理解できないことが起こったときこそ、何度も何度も考えなくちゃいけないと思ったからでした。
フランクルさんの実体験から基づく文章は私にとってどれをとっても重いものでした。逆説的な部分が一番心に残りました。開放されても鉄城門の向こうに行くことができない。心にかかった圧力を開放するのに時間がかかったことが最後に書かれていますが、心の傷ということを感じました。

あと小さな規則や日常のささいな出来事がリアルに感じられました。首をつろうとした仲間を助けちゃいけない規則があるから、行動に出る人がいないように皆で気を配るとか、連帯責任で夕食を抜かれた人たちの荒れた心をフランクルが言葉で修復してゆくようす。これ以上ない非道な行いの中にあって、今を生きることの感謝と意味を考えた作者の、究極の生への考え方を聞いたと思いました。

最後のほうはすごかった。そして巻末の写真も、人の行いとは思えない、「どうして」とか「なぜ」読み終わったあとも思う。何度も考えたい。

4月の私

にっき
04 /20 2013
あっという間に一ヶ月近くたってしまいました。
遊んだり仕事したり、今月から6月まで休日も出勤になることがあり、どんどんこの場から足が遠のいてしまっています。しかし慌しく過ごせば過ごすほど、のんびりと美術や本の感想を書きたくなります。文面を頭で考えては書き写すことなく日々が過ぎ去ってゆくのはもどかしいです。

ここ一ヶ月観たもの読んだもの

メゾンエルメス(映画)
「輝く峰 ガッシャーブルム」
「バケのカムバック」

汐留ミュージアム
「二川幸夫・建築写真の原点」

ニコンサロン
北島敬三「PLACES」

資生堂ギャラリー
川村麻純展「Mirror Portraits」


「愛、アムール」ミヒャエル・ハネケ

幻色江戸ごよみ (新潮文庫)
幻色江戸ごよみ (新潮文庫)宮部 みゆき

新潮社 1998-08-28
売り上げランキング : 9037


Amazonで詳しく見る
by G-Tools

宮部さんのこの本は先日お勧めされて読んでみた。この人はマットな感情を描くのが上手いですね。登場人物の感情の流れが太くて納得できて、そういった意味で腑に落ちる話ばかりでした。


どれもたくさん感想あるんですけど(^^;
特にハネケの映画はすごかった。

この人の映画はあとから、ずしんとくる。観たのは日曜日だったんですが、水曜日あたりにやっと言葉になってきたというか、静かに沈殿した感情をやっと触ることができる、という感じで感情になってきた。すごい映画です。

あ、映画といえば他に

「オズ」と「シュガーラッシュ」も観ましたシュガーの同時上映「紙飛行機」よかったです。紙飛行機かわいかった(^^)

あ、それから
秋葉原に行った時に行ったお店
日本百貨店と近くにあった廃校を利用して作られた3331もよかったです。

秋葉原の高架下のお店はどれも面白かった。ずっと行ってみたかったので、用事のついでに連れて行ってもらえて嬉しかったです(^^)

月夜野

東京下町在住・本・建築・ハチロク好き