愛の国

現代小説
05 /24 2014
愛の国 (単行本)
愛の国 (単行本)中山 可穂

KADOKAWA/角川書店 2014-03-01
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久しぶりに中山可穂さんの新刊が出たと知り早速読書。それも天使の骨のシリーズの完結版となればもうわくわくも最高潮でした。先に後書きを読んで、作者の想いと文字通り骨を削るようにして書いたのだと分かるともういてもたってもいられす読み進みました。この人の小説は読み始めると魔法にかかったように読んでしまうところが魅力です。どうしてこんなにひきつけられるのか、自分でも考えたのですがファンタジーだからなのかなと、私にとって同性愛の世界や登場人物のいる世界はどこか遠く御伽噺のように思えるので、そう感じるのですが、と同時に文章の端々に共感できる部分が多くあってリアルと幻想がいりまじっているところがたまらなく好きなのだなぁと思ったりしてます。
ばぁっとよんではぁっとため息をつきました。
この小説は色んな要素がつまっています。なにより面白かったのは四国の八十八めぐりとサンディエゴの巡礼がはいっているところ、八十八めぐりは今まで行きたいと思ったことはなかったのですが、時間をつくってやってみたいめぐってみたいと思いました。またミチルと一緒に歩いているような気持にもなりました。
ネオナチの話や収容所のくだりは、正直うまくのみこめなかったのですが、反同性愛法についての考えが後書きにあって、そうか…と思ったりもしました。
なによりミチルがタフでどこでもたくましく生きている姿に、憧れと尊敬と美しさを夢想せずにはいられません。
これが遺作となってもかまわないくらいの勢いで書いたと書かれている後書きを読み、読者としては書くことに対する執念と執着を強く感じ次の作品を期待しないわけにはいかなくなりました。静かに心から次の作品をまちわびたいと思います。

天使の骨 (集英社文庫)
天使の骨 (集英社文庫)中山 可穂

集英社 2001-08
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猫背の王子 (集英社文庫)
猫背の王子 (集英社文庫)中山 可穂

集英社 2000-11
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ピナ・バウシュ 夢の教室

映画
05 /11 2014
昨日メゾンエルメスでピナ・バウシュ夢の教室を観て来ました。

以前2012年の3月にpinaと一緒に観たのですが、先日コンタクトホーフを埼玉で見てからこの映画を思い出し観ました。

ピナ・バウシュ 夢の教室 [DVD]
ピナ・バウシュ 夢の教室 [DVD]
トランスフォーマー 2012-09-06
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二作品を一緒に観たので当時はところどころごっちゃになっていたのだけど、今でも夢の教室のドキュメンタリー性を時々ふと思い出します。十代の若者が一年かけて男女の出会いを演じるというこの企画は、途中触れ合ったりお尻を叩いたり、時に脱いだりと若い彼らには無謀なように思えましたが、次第に真剣になり役を自分のものにしている様子が分かります。全編を観てから観たのでどの部分の稽古か分かりより面白かった。そして前回観た時には思わなかったんだけど、ピナの優しい表情や言葉の意味の深さに気付きました。「完璧を求めているんじゃなく、彼らがベストをつくせばそれれでいいの」と言っているんですが、一回目観た時私はそれが諦めの気持も入っているように感じていました。
しかし、大人の人が演じている本作を観てからそれを聞くと、”一人一人のほんとうの自分が出すことが、一番の狙いなのだ”という意味にとれるようになりました。この映画に出演している十代の子供達はプロの踊りはできないけど、その代わりに、この時を謳歌する輝ける肌や身体を持っていて、それを使い自分を表現しています。彼らにみるみる自信がつき自分を変えてゆく姿が印象的でした。最後まで残れなかった子達もいて、色々な波を乗り越えて作品を作ってゆくすごさと、改めてピナのオーラに感動した映画でした。

帰りに階下のギャラリーも堪能して帰りました。


Pina / ピナ・バウシュ 踊り続けるいのち コレクターズ・エディション [DVD]
Pina / ピナ・バウシュ 踊り続けるいのち コレクターズ・エディション [DVD]
ポニーキャニオン 2012-08-23
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書いてみて思うんだけど、今はDVDですぐ観れちゃうからいいというか、反面残念ですね。若い頃はこういったドキュメンタリーやマイナーな映画はDVDにならなかったので、小さな映画館でやっていたリバイバルを繰り返し観に行きました。今はそんなふうに流れた映画や良い映画を上映してくれる映画館も少なくなったなぁ。
pinaのDVDは夫にプレゼントで貰ったんだけどこれも欲しいなぁ...と呟いてみる(笑)

ムーミン展

美術館・博物館
05 /11 2014
GWに銀座松屋で行われた「ムーミン展」に4月28日に行ってきました。
実は小さい頃にアニメでみたきりで全然知らないのですが、会社帰りに寄れる場所にあることと、なんか観なくてはいけないような引力を感じまして、この独特な絵の面白さの不思議を原画に探りにいきました。

出かける前に
小さなトロールと大きな洪水 (講談社文庫)
小さなトロールと大きな洪水 (講談社文庫)トーベ・ヤンソン 冨原 眞弓

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を読みました。

最初の作者の言葉がいい。自然な気持で書き始めたのだなぁと思います。ディテールにまねした部分がある、という前置きを読んでから読んだのでリラックスしながら読みました。
トロ-ルのムーミンはぼんやりな男の子で、スニフやスナフキン、お母さんとお父さんを探す旅にでる。お父さんはニョロニョロをおっかけてどこか行っちゃったけど、ニョロニョロは気まぐれな生き物なのでどこに行ったのか分からない。お母さんは困り果ててお父さんを探しに行く。
日本の父の像からはかけはなれた感じのお父さんで、またお母さんもおろおろしながらお父さんを探しに出るんだけど、そこには一家の長としてというより、好きで気になってたまらなくなってでかけるというかんじがある。微妙な距離感があり面白かった。ムーミンはお菓子を食べ過ぎちゃうんだけど、そのときはお母さんだまっててお腹がいたくなると薬をだしてくれるところとか、食べてるときに「食べ過ぎるとお腹いたくなっちゃうわよ!」とか言わないところが面白かった。というか、それが違いなのだなぁと思ったりした。

今は
新装版 たのしいムーミン一家 (講談社文庫)
新装版 たのしいムーミン一家 (講談社文庫)トーベ・ヤンソン 山室 静

講談社 2011-04-15
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を読んでいます。
皆気ままにでもたのしく互いを思いやって生きてる。不思議なキャラとの関わりを慈しみと尊敬の念をもってすごしてる感じがしました。この慈しみと尊敬は日本のそれと少し違う感じです。そのニュアンスの違いを読みながら探り感じています。冬眠からさめたムーミンがスナフキンを足跡でさがし、ぷらぷらしてるスナフキンと歌を歌うところとかがすきです。

原画はイラストレーターであったヤンソンさんの技術の高さを感じました。一点一点丁寧に奥行きのある美しい原画でした。フィンランドの自然の様子が伝わってきました。写真ではなくこういった白黒のイラストで土地の自然の息吹みたいなものを感じるのはここちよいです。色々な作品を読んでいなかったのですが、充分楽しめました。

新装版 ムーミン谷の彗星 (講談社文庫)
新装版 ムーミン谷の彗星 (講談社文庫)トーベ・ヤンソン 下村 隆一

講談社 2011-04-15
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次はこれを読みたい。

広島旅行その3

にっき
05 /05 2014
平和記念公園内にある国立広島原爆死没者追悼平和祈念館を見学して
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バスで海近くにある広島市環境局中工場へ向かいました
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谷口吉生の作品です。

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清掃工場とは思えない綺麗な建物で、そのイメージの斬新さと美しさに市街地からは遠いのですが、来てよかった~って思いました。

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近づくと小さなモニターから説明が流れてきます。

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風も通り晴れていると日が差しこんできていつまでもいたくなる快適な場所になります。雨が降った時も観てみたいなぁ

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昼過ぎまでここですごし広島の中心地へまたバスでもどりました。

嫌われる勇気

まじめな本
05 /05 2014
嫌われる勇気―――自己啓発の源流「アドラー」の教え
嫌われる勇気―――自己啓発の源流「アドラー」の教え岸見 一郎 古賀 史健

ダイヤモンド社 2013-12-13
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新聞の書評を読んで読書。机の上においておいたら娘のほうが興味をしめし、大学の先輩に薦められたとかで先に読んで母娘で読みました。アドラーという人の考えを青年と哲人との会話形式で解説してくれる本。

アドラーの教えを段階を経て教えてくれます。読みやすく青年のつっこみも正論の部分が多く分かりやすい。前回との矛盾を指摘したりするのですが、読み進むうちに独自に矛盾しているのではないかと気がつく部分がある。娘もあったというのですが、後半その部分は補えているように思うのだけど、どうかな、私自身は納得までにいたらなかった。
人の未完成な部分に関わるのは無意味であることを説きながら積極的に他者と関わっていく勇気を持ちなさいという矛盾は分かるけど分かりたくない(笑)そんな「目的」を持ってしまっている自分に気付きます。
他人は他人、自分は自分、でも仲良しで愛し合いましょう。という一見矛盾した、しかしそれが一番の解決法であるということの再確認になりました。俯瞰しすぎてもいけない近すぎてもいけない、勇気を持って人に嫌われてもいい覚悟で隣人を愛しなさいといっているように感じました。

未知の次元―呪術師ドン・ファンとの対話 (講談社学術文庫)
未知の次元―呪術師ドン・ファンとの対話 (講談社学術文庫)カルロス カスタネダ Carlos Castaneda

講談社 1993-06
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2002年に読んだこの本を思い出した。

チョコレートドーナツ

映画
05 /03 2014
新聞で見て気になっていた映画を観にいきました。シネスイッチ銀座は久しぶりです。土曜日の一回目に行ったのですが。15分前で既にたくさんの人が映画館の前に。前方しか空いてなくて、前から二列目の真ん中で観ました。私は前の席が好きなのでよっぽど大きなスクリーンでないかぎり3~5列目に座ることが多いです(シネコンではもう少し後ろですが)ニューシネマパラダイスとか観たなぁ(古い)調べてみたら2009年の6月に「ベルサイユの子」2006年に「イノセント・ボイス」を観たきりでした。五年ぶりかぁ、若い時は頻繁に来ていたのに(泣)

席に座ってから独特な映画館であることを身体で思い出し、わくわくが倍増。最近シネコンばかりなのでこういった個人映画館の楽しさ忘れてたなぁって思ったりした。

1970年代のアメリカ・ブルックリンで実際にあった「障がいを持ち、母親に育児放棄された子どもと、家族のように過ごすゲイの話」。本作はモデルになった男性と同じアパートに住んでいたジョージ・アーサー・ブルームによってシナリオ化された。

とあります。まだゲイであることを隠さなければならなかった時代に同棲しダウン症の子をひきとるというそれだけで、どれだけ大変なことか想像してしまいます。それでもルディとポールは愛し合いマルコの親権を獲得しようと必死に奔走する。それは莫大なお金と時間がかかることなのに、ルディはあの子がこれ以上不幸になることなんかない、とポールを説得し結果カミングアウトになっても、マルコと一緒に生活する日を夢見て裁判を続ける。
どうしてそこまで愛情が深いのだろうと思ったんだけど、観ているうちに愛情深くならざるえない二人の心の影の部分を感じました。と、同時に二人の強さに感動した。実際にあった話をモデルにしているとあるので、想像の範囲をでないのだけど、ここまで表に出たらきっと様々な誹謗中傷にあったと思う。それでも一緒に暮らすことを夢見続けるすごさに感動しました。共に生きること苦労することを厭わない迷わないルディの率直な行動が素晴しい。と、同時に測ることのできない愛の重さと大きさに、もどかしさと同時に無限の広さを感じました。
マルコの母に酷い言葉を浴びせられても、好奇の目にさらされてもマルコへの愛を信じて疑わない二人の勇気に尊敬しました。に

ミルク [DVD]
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ポニーキャニオン 2009-10-20
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を思い出したけど、チョコレートーのほうが結果としては上向きの映画かな。

月夜野

東京下町在住・本・建築・ハチロク好き