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ゲド戦記 5 アースシーの風

ファンタジー本
11 /10 2007
ゲド戦記 5 アースシーの風ゲド戦記 5 アースシーの風
アーシュラ・K. ル・グウィン Ursula K. Le Guin 清水 真砂子

岩波書店 2006-05-11
売り上げランキング : 26197

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今知ったんですが、この本は6巻目にあたり、5巻は外伝なのですね。読まなくては(笑)。
読んでみて思ったのは、色んなものが分かったということ。一巻からの問いに対する答えみたいなものは文章になっていないのですが、様々なものが自分の中で答えになって表れていることが分かりました。
一巻読んだ時、実はその世界観がよく分からなくて、物語だけが先に進んでしまったような感じを受けていたので、それぞれの国の様子や、文化、人の雰囲気がやっとここへきてイメージとなりまとまった(自分の中で)感想を持ちました。
ゲドが街を歩いていても、それがどんな建物なのか、風土なのかが今ひとつ分からなかったのです。ディテールをイメージしにくかったのですが、それがこの巻になって、風という形で理解できました。あくまで個人的な観念の問題なので、それがどうというのはまた別の問題なのですけど、私はジブリのゲドの世界よりナウシカのイメージに近い感じがあります。


三巻の石垣の向こうのイメージ、闇の存在が分からなかったんですが、分かった。なんとなく、全部を把握しきれなかったけど、石垣の向こうに表れた闇が何かというのは、少し理解できたかなと思う。風土の問題なのか、闇のありかたが日本のそれとはちょっと違いますね。それからなんだろう、上手くいえないのですが薄い感じ、希薄な透明な印象を持った。うーん、これは誤解を招く言い方なのかもしれないけど、重さを感じると同時に軽さも感じました。

ゲドが若い頃に死なせてしまった、小さな動物オタクを思い出して語るくだりが好きです。そこからハンノキに対する答えを導き出し、ハンノキに子猫を授ける。それはヒッパリという名前でハンノキが石垣の向こうに行こうとするのを留める役目を果たすという流れが好きです。

権力も若さも失ったゲドが吐き棄てるように「尊敬などいらん」と言うところもいい。それに対しハンノキが富も権力も棄てたゲドがほんとうに得たものについて考えるところも好きです。
後半では言葉について魔法とは違う方向から考えているところが面白かった。古代語を話す竜と、言葉を作り書くことができるようになった人間の違いを真実を表せるかどうかという尺度で考えているところがよかった。作者の言葉に対する真摯な気持ちが表れているように感じました。

で、この小説はゲド戦記なんですけど、この後半二巻は私はテナーが主人公のような気がしてなりません。子育てを終えた女性が、世界をどう捉えるか、俯瞰するかという視点を感じるのです。実の子ではないテハヌーとのやりとり、レバンネンとその女王、ゲドへの思いなど、様々な人との繋がりのなかで、感情を太く細くしながら、怠惰な感情や正しい情熱を意識しつつ世界を見ている彼女に、物語の中で大きな存在を感じます。
最後の場面はいいですね。テナーが家に帰り、ゲドと会話するところが好きです。
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月夜野

東京下町在住・本・建築・ハチロク好き

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