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ひとりぼっちのエルフ

ファンタジー本
11 /23 2007
ひとりぼっちのエルフ (ハリネズミの本箱)ひとりぼっちのエルフ (ハリネズミの本箱)
シルヴァーナ・デ マーリ Silvana De Mari 荒瀬 ゆみこ

早川書房 2005-12
売り上げランキング : 499934

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霞ヶ関見学デーで省庁のお勧め児童図書に置かれていて興味がわき読書。
この絵の雰囲気と、イタリアのファンタジーってどんなのかなぁと思ったのがきっかけ、とても良い本でした。

作者は女性のお医者さん。アフリカの子供たちを見て、治す所は身体だけではなく心も含まれていることに気付き、物語を書く決心をしたといいます。心を直す方法として、心理療法を学んだ作者の厳しくも暖かい、過酷だけれども優しい物語。

第一部は生まれたばかりのエルフ、ヨーシュと人間の女性、猟人の三人が旅をする話。エルフは自分しか残っていないことを自覚しながら、赤ん坊同然のエルフは純粋な、しかし無知な心で二人の人間と旅をします。
知らないがゆえの傲慢さ、無頓着さに人間の男と女はうんざりしながらも、一緒に旅をする。「なんでエルフとなんか旅をしなくてはならないんだ」と言いながらも、二人はヨーシュから離れもしなければ、見捨てもせずに旅をする。ヨーシュは僅かな魔法と能力でかられを救い、運命を切り開いてゆきます。

第二部はドラゴンを暮らす決意をしたヨーシュの13年後。愚痴ばかり言って物語をせがむ老ドラゴンを疎ましく思いながらも暮らすヨーシュ。しかしドラゴンが抱えた卵が孵るとき、老ドラゴンと別れることを知るのです。新しく生まれたドラゴンもまた最後のドラゴンで、二人は肩を寄せ合ってくらします。やがてドラゴンが飛べるようになるとヨーシュは、子供の頃にお世話になった女性と猟人に会いにゆくことを決心し人間の世界へと旅立つのです。

この話。一言ではいえないお話です。今まで読んだファンタジーとは違い、悪とか善とかではなく、多分人の心と社会について描かれているのだと思う。あと階級や人を占領の目的で攻撃をする人の心理、弱い人間の心理とか、その辺りのことを描いていると思う。

二章では、不当な働きをさせられる孤児たちがでてきます。その暮らしから生活を事細かに描いているのは、作者がアフリカの子供たちを見ているからなのだろうなと思いました。どんなにひどい暮らしをしても必死に生きる子供たちに希望を見出したのは作者のほうだったのではと思うほど、子供たちが生き生きと描かれています。

こんなふうに書くと硬いシリアスな話に感じられますが、そんなことはなく笑うところが多かった。何よりこのエルフが面白く、社会や人の生態を不思議に思って接しているところがおかしかった。あとドラゴンとの会話。孤児達を救いにエルフとドラゴンが行く場面がおかしかった。
エルフやドラゴンのあり方が他のファンタジーと違っているのも面白い。

あと結末がいいです。最後のほう、すごいよかった。それぞれがそれぞれに成長してゆく、殺すことができなかったエルフが死について考え、死を受け入れることは生を受け入れることと同じだと諭るところがいい。
エルフが物語を語りだす場面が好きです。希望を失った人たちに物を語り励ます様子に胸がいっぱいになりました。自分がくだらないと思っていたお話を言って聞かせながら、自分の心も励ます。やがてそれは皆が一つのイメージを持つことにつながってゆく。動的でありながらも静かな場面がよかった。

好きな場面がたくさんあって、どれも紹介したくてたまらないんだけど、読んだほうが絶対楽しいので、面白そうだなと思った方は是非読んでみてください。

yo-syu2.jpg
エルフのヨーシュ

初めてドラゴンが空を飛んだ場面とか、移動する民の場面とか、書きたい場面がいっぱいありますが、とりあえずヨーシュを…ってすぐに書き直したくなってます(><)
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月夜野

東京下町在住・本・建築・ハチロク好き

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