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おとうと

現代小説
05 /07 2008
おとうと (新潮文庫)
おとうと (新潮文庫)幸田 文

おすすめ平均
stars父親がもう少ししっかりしていれば・・・
starsおとうとの弱さもつらさも見つめ続ける姉                       
stars哀しく・・美しく・・
stars読めば読むほど・・・
stars残酷

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かなり前にあらすじを何かの本で読み、あらすじだけでは分からなくて読んでみたいなぁと思っていたら、古本屋にあったので買ってそのままにしておりました。ここ数日なんとなく次の読書を迷っているうちに、よく行くサイトマスターさんがこの本を図書館で借りたと書かれていて、自分も読みたくなり掘り返して(?)読書。

姉げん17歳~19歳、三つ年下の弟碧郎、継母はリューマチにかかり家事ができない状態で、父は作家という家庭の話。家事をひきうけるげんと、何事も適当に過ごしどんどん不良になってゆく弟、愚痴ばかりで協力的なことをしてくれない(とげんは思っている)継母と家庭のことにあまり関心を示さない父、夫婦仲の悪いことや、親子の関係のぎくしゃくしているのを細かくリアルに描いています。
この小説のすごいところは、継母の気持ちも弟の気持ちも父の気持ちも斟酌しながら、作者であろうげん自身の存在を俯瞰して捉えているところです。げんがつまらなく思ったり、おかしく思ったりするのをさりげなく外側から観察しています。この小説、作者が30歳の時に書かれているので、作者自身昔の自分を思い起こして、振り返りながら描いているのかなと思いました。時にげんのことを世界の狭い若い女性として指摘したり、継母の言い方に同情しながら、他の家族との関係を真っ直ぐ書いていると感じました。

後半では碧郎が結核になり死んでゆくまでを書いています。病状が悪化するまで気付いてやれなかったのを悔やむげん。またそれは自分がたった三つしか違わない姉だからというふがいなさを責めつつ、必死に看病をします。医者と両親との間に挟まれながらも、共に弟と闘病生活をする様子が描かれています。最後に看護婦さん言うところの清められた心になり亡くなってゆく様子は、時代を超えてリアルに心に届きます。
やっと家族が一つになれたのに、弟は去らなくてはならないのだろうか、と素朴に節に願うげんの気持ちが痛々しい分、それが生きることなのだと改めて思いました。
家族の闘病生活の小説はいくつか読みましたが、また新たな視点で読むことができました。

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月夜野

東京下町在住・本・建築・ハチロク好き

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