スポンサーサイト

スポンサー広告
-- /-- --
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

ヴィルヘルム・ハンマースホイ展

美術館・博物館
12 /01 2008
開催前から気になっていたヴィルヘルム・ハンマースホイ展へ行ってきました。
静粛な時間が流れている絵で、どんな空間性なのか室内の緊張感を楽しみに行ってきました。
ハンマースホイ(1864~1916年)はデンマークの画家で、あまり脚光を浴びる事無く、室内と妻を描き続けた画家です。身近な素材を描きながら簡素で生活感のない絵に、作者の厳粛な性格と意図を感じて惹かれました。

初めに展示してある素描などを見るとデッサンができているのに、後期になるにつれ同じ室内を描いているのに、その空間が様々に変わっているのが興味深かったです。ドアの蝶番を省略したり、また過度に書き加えていたり、天井や扉の幅が大きくなったり小さくなったり、床と壁の境が分かりづらくなっているので巾木の高さや枠の存在が消えかけている作品もありました。
こんなふうに室内を曖昧に描いているのに、そこに建ち現れてくる空間が凛としていて、他のどの絵にもない空気感を描き出しています。この不思議にすっかり魅了されました。
細部を観ていると酔ってくるのですが、全体をぼんやりと眺めていると、その距離感と空虚感を感じるのです。デフォルメされた家具や、支えるべき足のない椅子、腰壁の位置から壁の飾りまで、かつてあったであろう空間が幻想への入り口になっている事に気付かされます。
それであって物語を感じさせない無の存在があるので、この絵をどうとらえていいのか、見終わった後も不思議な空白を心の内に感じています。
他の画家にはない絵だなぁと、そして今この絵が注目されているのは、この絵に表されている無が今に通づるものがあるのだろうなぁと思いました。

そして妻の存在が女としてとても気になります(笑)。TV日曜美術館で見てたら夫が「奥さんが好きだったんだよ」というのですが、どうでしょう(^^;。寂しい絵なんですよ。30代後半の妻を描いた肖像画にいたっては、実年齢よりも年老いて見える表情の暗さです。そして視線がこちらを向いていない。これって夫婦としてどうだったのだろうと…。だからこそ愛していたんだと思うのですが、ここらへんが難解です。
ミレイ展にもミレイが出逢った頃の妻と晩年の妻を描いた絵がありました。出逢った頃の妻の絵は嬉々として輝いているようだったのですが、晩年の妻は耕耘機のカタログを手に優雅な姿でくつろいでいる姿でした(ちなみに耕耘機のカタログというのは当時ミレイのマネージャー役をしていた妻の敏腕振りを揶揄したものなのだそうです)。月日を重ねると相手を思う気持ちが変化するのはいつの時代も同じということなのかな(泣)。

会場には絵にした間取りを3Dで再現した映像もあり、楽しんで観ることができました。
一点、張替えたときにゆがみができたことを解説した絵があったのですが、他にも保存の過程でゆがみがでている絵があったのかどうかが気になっています。絵の微妙なゆがみが、どの程度作者の意図によって行われたものであるのか、そのところを詳細に知りたくなりました。
スポンサーサイト

コメント

非公開コメント

月夜野さん、こんにちは♪
たぶん、私は、この画家さん好きですね。
仏教で空間の「空」は満ちている、満たされている、という意味だそうなので、きっと、この作家さんは空間を何かで満たしていたのだろうと感じます。
主人が出張でコペンハーゲンに行った時、朝の9時位から夜が明けて、午後の3時位には日没だったそうです。普通はデンマークの画風ってもっと、こう明るい感じなのに、この画家さんの絵はなんかこう東洋的で不思議です。
どんな人だったのか、わかるようになると面白いでしょうね。

空気感が印象的でした

mimiさん、こんにちは
不思議な空気感のある絵でした。
心にずっと印象に残る絵ですね。デンマークの空は見たことがないのですが、そこに居るような気持ちになりました。
コメントありがとうございます♪

月夜野

東京下町在住・本・建築・ハチロク好き

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。