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朗読者

現代小説
05 /30 2009
朗読者 (新潮文庫)
朗読者 (新潮文庫)Bernhard Schlink 松永 美穂

新潮社 2003-05
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来月映画になるので、再読しました。以前読んだのはメモによると2002年となっています。7年前で当時ベスセラーになっていたのと、題名に惹かれて読んだ思い出があります。
で内容はというとストッキングと燃える教会という記憶があって、あと思春期の男の子の青春とかいう記憶ぐらいしか残ってなくて(汗)、なんとなく覚えているようないないような、女性のうなじとか、大学の授業とか断片的な記憶しかなく、でも空気感がとても印象に残っていたので再読しました。


帯には大勢の人が泣いたと書かれてあって、泣いた記憶がないので、ちょっとショックでした。Ⅱがショックだった思い出があるけど、泣かなかったです。今回も泣かなかったけど、以前とは違う読後感がありました。

前回の読書はⅠの時代のハンナと歳が近かったので、Ⅰの時代の頃の情景が強く印象に残っていました。今はⅡの時代かな、Ⅲの時代に読むとまた感想が変わるかもしれません。前は主人公の側から読んでいたのですが、今回はハンナの側の気持ちになった。
新しく感じる部分が多く、全然違う物語に思えた。後半の主人公ミャエルが想うところなどがストレートに心に入ってきました。彼のハンナに対する気持ちと、ハンナの気持ちのずれ、身体で深く関わっていたのに、現実には違う存在であり続ける関係がすごかった。

ハンナは自分について多くを語っていないので、読んでいるほうもどんな人だったのかを想像するしかないのですが、歳をとってきた女性として頭ではなく感覚で彼女を感じているのが読んでいて面白かった。彼女は多分こんな人だったのだろうと、ミヒャエルの感じたことを読みながら想像している自分に気が付きました。

この話しは「ノルウェイの森」に構造が似ています。歳をとって昔の若かった頃の恋について想うと同時に、郷愁ではなく自己を確認するために回想している話です。
何度も訪れる孤独や精神的な乖離が、感情を取り戻すことで穏やかに帰結している(のかな)流れが違うけど、自分がそこにいていないように感じるというのは、最近この感覚をはっきり感じはじめているので分かるような気がしています。
私も彼のような年齢に近づいているのかなと考えたりしました。

ノルウェイーでは、最後にその感情の終末(よりどころ)について厳しい答えがでているように感じているのですが、朗読者は書いたことによって出される答えの寄る辺なさは残るものの穏やかに終わっているように感じました。…何を言ってるのか自分でも分からないんですけど(汗)終りの先にあるものを長めに書いているように感じた。最後のほう、刑務所の所長と生き延びた娘の言葉が印象に残りました。
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月夜野

東京下町在住・本・建築・ハチロク好き

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