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モンテ・クリスト伯〈7〉

まじめな本
08 /23 2009
モンテ・クリスト伯〈7〉 (岩波文庫)
モンテ・クリスト伯〈7〉 (岩波文庫)Alexandre Dumas

岩波書店 1957-01
売り上げランキング : 15324

おすすめ平均 star
starほほぅ!!
star面白いのは確か
star復讐なる。伯爵海へ。

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読み終わりました。すごい最後でした。
児童書版で読んでいたけど、やっぱり最後は心にくるものがあった。
すごい本だ。読んでてぐいぐい引き込まれたのに、疲れて寝る前に読むから、本を開いたまま寝てしまっていました。やっと読めました。面白かったです。

アルベール、ダングラール、ヴィルフォール達の最後の様子が興味深かった。ヴィルフォールすごかったなぁ、夫人に宣告した事柄もすごいけど、その後裁判所で突きつけられた現実と、それからの彼の心の動きが怖かった。恐怖という怖さではなく、その心のありよう変化の仕方がおぞましかった。
ダングラール夫人の態度、アルベールの気構え、メルセデスの傷心、そして何より伯爵とマクシミリアンの会話がよかった。自分をエドモンと告白する時の情景がすごかった。

読んでいて、作者の物語との距離の置き方が気になった。この作者は心を遠くにおいて視点を遠くに据えて物語を書いていると感じました。でもだからといって冷ややかに眺めているというのではなく、そこに自分の欠片、魂を置いて書いている。
建築の言葉に”個と全体”というのがあります。細部が決まれば全体が決まる、全体が決まれば細部がきまるという事象で、全体の空間、イメージが固まるとディティールがおのずと決まり、ディティールが定まると空間の質が定まるというものです。
この物語にはそれを感じました。全体をとらえていながら、細部であるここの物語にも魂がやどり、ここの物語が立ち上がって全体の流れが形作られている、その全体作者が操りながら確信を描いていると感じました。

伯爵の情にながされず、しかし冷徹になりきれなかった心情を俯瞰しているところがよかった。そしてそれを伯爵自身も感じ、最後に自分の罪を認め、それをあがなう為にマクシミリアン達に財産を渡しよく事をしようとしているのではないか、罪とのバランスを自分はとろうとしているのではないかと悩んでいるところが印象に残った。

そして最後の伯爵の手紙は何度読んでも胸がいっぱいになります。ここまで通して読み直してなお、その文章の意味の深さを感じました。希望を持ち待つということ、絶望を知った者こそ大きな幸福が得られるということ、繰り返し考えてゆく言葉になりました。
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月夜野

東京下町在住・本・建築・ハチロク好き

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