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調律師、至高の音をつくる

まじめな本
02 /26 2011
調律師、至高の音をつくる 知られざるピアノの世界 (朝日新書)調律師、至高の音をつくる 知られざるピアノの世界 (朝日新書)
高木 裕

朝日新聞出版 2010-11-12
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新聞で書評を読み興味が湧いて読書。調律師という響きはどこか神秘的な感じがあって、いいなぁといつも思っていました。中山果穂や小川洋子の小説にもでてきた気がする。そんな調律師の至高の音の作り方が分ったらいいなぁとほわわんとした気持ちで読み始めました。
文章は読みやすく、またF1のたとえを用いながら分りやすく進んでゆきます。しかし内容は専門的で、ピアノの歴史から音楽の歴史、ピアニストとピアノ弾きの違いなどを語りながら自分の経験談も交え、楽しんで読むことができました。
調律という仕事は難しいけれどやりがいのある、経験を積めば積むほど面白い仕事であることが作者の語りから伝わってきました。
プロのピアニストとの交流、スタッフとのやりとり、失敗も成功も経験をいとおしむように語られている文章からはこの仕事が好きでたまらないんだなぁという感想を持ちました。
作者は若い頃、有名なピアノの工房を訪れ、調律の具合を数値で測ったことなどないというベテランの言葉に愕然とします。ピアノ一台一台の個性と音の広がりの調律はおしなべて表せるものではないのだというこの言葉は何よりもピアノを表しているのだなぁと思いました。
会場によってピアノの調整をするコンサートホールの調律師、ホールの空間を肌で身体で感じてピアノの調律を行う場面では頭がさがりました。舞台の床に貼られた床板、その下の梁の位置まで知り尽くしてピアノの位置を考える仕事の細やかさに改めて難しい繊細な仕事なのだと思いました。

何より作者が楽しんで仕事をしているのが伝わってくる本。日本人は新しいものが好きで、使い込まれた古いピアノが一番いいことを知らない人が多いと言っているのが心に残った。私たちは何でも新しいものに目がゆき、古いものを大切に長く使うという喜びと物から受ける恩恵を忘れてしまっているのでは、と考えた一冊でもありました。
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月夜野

東京下町在住・本・建築・ハチロク好き

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