つなみ―THE BIG WAVE

児童書
11 /28 2011
つなみ―THE BIG WAVE
つなみ―THE BIG WAVEパール・S・バック 黒井 健

径書房 2005-02-25
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新聞で読んで読書しました。作者のパール・バックはアメリカで産まれ生後三ヶ月で中国にわたり18歳まで中国でくらします。東洋と西洋の二つの視点を持った彼女が日本に来た時の印象をもとに書かれたのがこの本です。二人の男の子のうちの一人は山の子ジヤ、もう一人が海の子キヤ。仲良く育ちます。やがて山が震え海から津波がやってきます。
ジヤのお父さんは、何故山や海が怒るのか分からない、といいながら、深く慈愛をこめた思いで村を山を海を愛します。つなみはキヤの家族を奪い、一緒にいたジヤとジヤのお父さんに助けられます。海に呑まれる様子を目撃したジヤは気絶してしまうのですが、眼がさめるまでそっとしておいてやれ、その時まで傍にいてやれというジヤの父の語りは胸を強くうちました。静かな哲学を胸に秘めてじっと生きる大人の様子がいい。こんな大人が日本にいると思い描いてくれたパールさんはすごいと思いました。
親のない子ジヤに金持ちの長老は養子にというのですが、これをきっぱり断るジヤ。やがて時が経ちひとり立ちするときに、父と同じ海の傍に家を建てたいというジヤの気持ち、心根を思いました。長老がやってきて、ばかだ、また津波がきたらどうするんだと激しく怒るんだけど、「その時はあなたはきっと助けてくれる」と答えるジヤ。村の土地のつながり、人の絆を感じさせるいい本です。そして挿絵の黒井氏のやさしい風景画もいいです。
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月夜野

東京下町在住・本・建築・ハチロク好き