科学の扉をノックする

科学
02 /14 2012
科学の扉をノックする (集英社文庫)
科学の扉をノックする (集英社文庫)小川 洋子

集英社 2011-03-18
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先日ゴヤ展にいったついでにかはくに寄って、ショップでこの本が平積みされてたので殆ど衝動買いで購入。小川さんの対談は好きなので、そしてかはくに(文庫で)置いておいてあるのだからきっと面白いのだろうなと思って読書。面白かった(笑)

「博士の数式」で数の世界に物語の架け橋をかけた作者のさらなる科学への興味が語られている本。宇宙・鉱物・DNA・スプリングエイト・粘菌・遺体科学・野球のトレーニングコーチと多岐にわたる科学が専門家との対談で語られています。それぞれの専門家が心から愛し研究している物事を語っている言葉を小川さんが解説している、これが面白くないわけがない(笑)。感心し驚き、時に想像の翼を広げながら話を聞き書きとめるその文章はこの作家ならではです。
母親のように大きく、また地球の上に存在する一個の小さな命として、過去から続く生き物として、未来に残す経験として大きくなったり過去を彷徨ったり未来に想いを馳せたり、心の揺れ動くようすを一緒に楽しみました。

どの文章にもインタビューの合間合間に書かれた作家のちょっとした想像力や垣間見えた真理を書いている部分がいい。小川さんの文章の好きな部分です。様々な角度から科学をみつめて、感覚でとらえられた文章を読んでサムシング・グレートを本気で考えてしまった。見えないものの感触を感じることができた。

”誰にも気付かれず世界のどこかに隠されたままになっている、新しい真理を発見しようと思ったら、理屈や常識を飛び越える感受性が必要になってくる。だからこそ、優れた科学者であればあるほど、豊かな情緒を備えている。”(P79)
”いい小説を書こうと思ったら、自分自身を超えた場所まで想像力をはばたかせる必要がある。王様ではなく下僕となって、物語の声にじっと耳を済ませなければならない”(P142)

この二つのくだりは繋がっているように思えました。こんなふうに色んなつながりを感じる一冊。

個人的には
”熊は冬眠によって極寒の季節を乗り越えるし、昆虫はサナギになって半分死んだように見せかけたあと、目をみはる成長を遂げる。思春期の子供が親に反抗し、自分だけの殻に閉じこもるのも、大人への世界へ飛び込むための準備のためだ。大体生き物とは、あたかも死に近づいたかのような振りをすることで、より密接に生と結びつく物なのかもしれない。”(P126)
娘を観ててつくずくそうだなぁと思った一文です。準備中なんだろうな…きっと(汗)


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月夜野

東京下町在住・本・建築・ハチロク好き