毟りあい

現代小説
03 /22 2012
傾いた世界―自選ドタバタ傑作集〈2〉 (新潮文庫)
傾いた世界―自選ドタバタ傑作集〈2〉 (新潮文庫)筒井 康隆

新潮社 2002-10
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「The Bee」の原作「毟りあい」を読書。短篇ですが舞台を観た後なのでボリュームを感じ長編分ぐらい楽しめた。最初の方は同じ言葉が使われていますが、脚色がありその差も楽しみました。互いの息子が誕生日であること、井戸が一瞬拳銃を離すところが付け加えられています。こうやって原作を読むと舞台を観てひっかかってたところ、気になっていた部分を思い出した。子供(餓鬼)の指を折った後、原作では妻が鎮痛剤を飲ませるところを舞台では何か粉のようなものを着けていたように記憶してます。見たとき気になってたんだけど、あれはなんだったんだろう。舞台ではこういった仕草の一つ一つが細やかに表現されていて、その動きが一連の流れとなっていたところがすごいと思いました。
後、井戸が拳銃を離した隙に妻が拳銃をかまえ井戸を狙う場面は、いっそうこの物語を複雑に重層的にしていてすごかった。私は「The Bee」を観て人間の無責任さ無関心さ凡庸さの罪のようなものを一番大きく感じたのですが、この短篇はもっと別な生々しさを感じました。犯罪者小古呂の善良さ小心さと井戸の凶暴性を文章で読むとより違った迫力で読み取ることができました。
あと井戸がいうヘゲモニイという言葉が分からなかった。隣の韓国人がヨギメンナカスミダというのだけど、これも意味が分からなかった。調べてみたい。
警官の二人がもうすっかりそのイメージです。安直よかったなぁ。日本語版の舞台もみてみたい。男女の役割が入れ替わっているのもすごいとおもった。舞台の感想になってしまいました。
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月夜野

東京下町在住・本・建築・ハチロク好き