映画
08 /15 2012
夢 [DVD]
夢 [DVD]
ワーナー・ホーム・ビデオ 2002-12-20
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今年の五月に道を歩いていたら道路工事をしていた作業員が休憩をとっていました。その前を通った時、作業員達の話している声が聞こえてきました。「それがさ、すげえんだよ」それは一人の作業員が東北の復興作業をしてきたらしく興奮気味に土地の様子を語っている声でした。「このタンポポがさ、咲いてるんだけどそれがこんな高さなの、すげえでかいんだよ。まじで、ほんとなんだよ」自分の背丈ほどある高さを示しながら彼は語っていました。どきっとした後に、思い出したのはこの映画のワンシーンでした。
この作業員の言葉を信じるか信じないか暫く悩んだけど(それはその作業員が嘘を言っているかどうかではなく、その言葉をどのように自分の中に受け止めるかという外の現実と自分の中の現実との間で悩んでいました)三ヶ月たって、静かにそのことについて考えられるようになりました。
そしてもう一度この「夢」という映画を観たいと思うようになりました。

この映画を最初に映画館で観た時は、私は学生でした。そして黒澤監督が日本人でよかったという感想を持ちました。今見直してみて、改めて監督の思っていたこと、憂えていたことがじわじわと理解できるように思います。
セリフのひとつひとつ、役者の視線一つに深い愛情と思いやりを感じます。あの頃から私達は何を学んで何が進歩したのかなと改めて考えながら見ました。

夢黒澤 明

岩波書店 1990-04-26
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セリフとコンテが載っている本。

桃畑
「違うよ!桃なら八百屋で買える!でも、花の咲いた桃畑はどこで買うの?」

トンネル
「聞いてくれ!お前達の気持はよく判る。しかし、第三小隊は全滅した!お前達は、全員戦死したのだ!」

赤富士
「そりゃ、大人は充分生きたんだから死んだっていいよ、でも子供達は生まれてからいくらも生きちゃいないんだよ」

鬼哭
「……むかし、このあたりは一面のお花畑だった。それを水爆やミサイルがこんな砂漠に変えちまった……ところが最近、その死の灰の積もった地面から不思議な花が咲き始めた」

水車のある村
「儂かね?百と三つさ、もう人間をやめてもいい年だが、あんた、生きるのは苦しいとかなんとか言うけれど、それは人間のきどりでね、正直、生きてるのはいいもんだよ、とても面白い!」

「水車のある村」のこのセリフを笠智衆さんが言うのがすごく好きです。何度も見たい映画です。
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月夜野

東京下町在住・本・建築・ハチロク好き