ピカピカのぎろちょん

絵本・詩
06 /29 2013
ピカピカのぎろちょん (fukkan.com)
ピカピカのぎろちょん (fukkan.com)佐野 美津男 中村 宏

ブッキング 2005-10
売り上げランキング : 436793


Amazonで詳しく見る
by G-Tools


先日お会いした方と一緒に入った本屋さんで「ちょっと変わっている児童書だよ」と教えていただいて読書。安保の時代に啓示的に書かれたお話しで、廃刊になっていたのを大人になっても覚えている読者が多く復刊になった絵本だそうです。

なんの先入観もなく読み始めました。主人公のアタイが弟を連れて町をあるく、鳩を数えたり(振り返ればそれは平和の象徴なのかも)学校の友達と話したりしながら、その背景がぼんやりと浮かび上がってきます。とちく場にお父さんが勤めている子、鶏の産む卵を毎朝すすって生きるおばあさんをもつ子、児童に向いた話とは思えないような、だからこそ読むのをやめられない設定内容です。
アタイの好奇心と行動力が素晴しく、そこに両親の影はありません。たくましく自分で考えどんどん行動してゆく、言うこと訊かないと弟だってぶっちゃう。大人が「いけません」ということを進んでやっていく姿にはらはらどきどきしながらいつの間にかついていってしまう。

特に印象に残ったのは、足の不自由な子が自分は上手く動けないからついてゆけない、というとアタイが「ちょっとくらい足が不自由だからってあんた甘ったれてんのね」と怒るところです。これは一見暴力的にみえますが、その裏に愛情を感じました。というか愛情がないといえない言葉です。今こんな言葉を愛から言える人はどれくらいいるのでしょう。こんなことをいうアタイは絶対何があってもこの子を見捨てはしないでしょう。今綺麗な言葉ばかりで、愛情や感情を感じない言葉ばかりなので、そう感じるのかもしれません。
ほんとうに美しい言葉は綺麗な言葉ばかりではないと気付いた一文でした。

内容は現代にあてはまるものが多く、はっとすることもたびたびでした。文章が細かなところまで描いているのでアタイと一緒に町を歩いている気持になります。
この挿絵の怖さと文章があっていて面白かった本です。
スポンサーサイト

コメント

非公開コメント

月夜野

東京下町在住・本・建築・ハチロク好き