酔先生のふで

舞台
06 /29 2013
先週お友達に誘われて、劇団すごろく六月公演の「酔先生のふで」を観にいってきました。亀田鵬斎(かめだほうさい)という江戸時代の書家、儒学者、文人を主人公にした演劇です。といっても堅いものではなく、声優で活躍されている俳優さんによる楽しい劇でした。

物語は江戸時代ですが、セリフの端々に今のお金に換算すると…とか、今の神田の辺りです、とか、注釈があって分かりやすく、また声優という仕事をされているだけあって声がよく聞き取りやすい。声から心に入ってくる演技というのを始めて体験しました。

鵬斎の一生を愛用した5本の筆で描くというお話し。それぞれの時代に大変なこと辛いことがあるなかで、酒を飲み書を嗜むという鵬斉の心の姿が伝わってくるのがよかったです。

全編を通してどこもどれも面白かったのですが、観終わってしみじみと振り返ると、生き方としての人間について感じいっている自分に気付きました。
鵬斉の家には偉い人がたくさん来ます。「どれも同じに見える」とからかいのセリフがありましたが、自分を偉いと思ってる人は中身がないか、自分の思い通りに人を動かそうとして偉そうにして(または偉い役職について)いる。だから中身がない人は長続きしないし、言うことを訊かないとわかると去ってゆく。
鵬斎はそんな中で自分を生きていこうとしてると感じました。貧しく窮しても、自虐的とさえ思える貧困に耐えても、自分を失いたくなかったんだろうなと、でもそれは世間では評価されにくい。彼を愛した人はそこを好きになったんだろうなぁって思いました。
良寛ののほほんとした佇まいも面白かった。落語家さんなんですね。
三番目の物語で、鵬斎は人助けの為に書を書き始めますが、傍にいた良寛は何も言わない。きっと鵬斎がここで人を助けても助けなくても、すべては水の流れの如く…と思っていたのでしょう。でもそこで、鵬斎は助けた。助けざるえなかった。それが鵬斎であり、今まで一貫して通してきた人格なのです。それを見て良寛は私のところにきなさいと言う。生きるということの醍醐味が現れていると感じました。

次回はテープとおひねり投げたいです(^^)
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月夜野

東京下町在住・本・建築・ハチロク好き