デ・キリコ展

美術館・博物館
01 /02 2015
来年のことをいうと鬼が笑うといいますが、去年のことをいうとねずみに笑われてしまうのでしょうか(笑)
去年書ききれなかった美術展そのほかを書きます。

先月、汐留ミュージアムで行われた「デ・キリコ」展(2014・10・25~12・26)へ行ってきました。
券をもらっていけそうにないかなぁと思っていたのですが、時間ができたのでお友達と行ってみることができました。独特な個性のあるキリコですが、私はこの人の絵はあまり好きではなくて、というか理解ができなくてマグリットとかそちらのほうが好みだったのですが、今回本物を見ることができ、また会場には生前の番組などが流れていて、それを見たらイメージが変わりました。変わっている人というのはかわらないけど、キリコさんの心の奥にある深いものを感じることができ、人となりというかキリコさんの佇まいが好きになりました。
絵画はどれもやっぱり不思議で、ビスケットやパンや不思議なものが板にはりついているような絵なんですけど、その空間がダリやそのピカソとは違う独特な空気が流れていて、面白かった。
街角や壁の向こうの空虚な感じ、三角形に切りとられた空間のどこにもいかなさ、というような二次元でしか現せないような不思議な、でも記憶に残る色と空間を感じました。

自画像は初期のものはお母さんと一緒に描いているのもあり、母への強い思慕が感じられました。生き生きとした顔色の母親に比べどこかうつろな青白い表情だったのが印象的でした。馬を描いたのも多く、ドラクロアの影響でどっしりとした骨格であるのも面白かった。生命力の象徴のようなドラクロアの馬をこんなふうに純化している絵が面白かったです。
最後のほう「太陽の寺院」は太陽の輝く地面に黒い太陽が落ちていて、なんだか現代にも通じる皮肉めいたものを感じました。原子力発電所のことや、今問題になっている太陽光発電のこと、人間のエゴや虚栄が新鮮に描かれていると思いました。

あのちょっとした街角や、紅い壁の向こう、階段の裏側、低い塀の果て、その空間を思う時、キリコさんの孤独とどこへもいかない、いけない心の動きを思いました。
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月夜野

東京下町在住・本・建築・ハチロク好き