最後の胡弓引き

児童書
02 /21 2015
最後の胡弓弾き
最後の胡弓弾き新美 南吉

2012-10-01
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先月新見南吉の生家を見に行き、周辺の町を歩いてきました。そのなかでこの物語の舞台になった建物を訪れ、そこでミニ本を買ったので読書。ごんの贈り物というミニ文庫で、持ち運びできて気軽に楽しむことができてよかったです。
昔は旧正月に胡弓引きが里をねりあるいて小銭をかせぐという風習があり、胡弓の魅力にひかれた木之助の話。
南吉の話はどれも細かな部分が大好きでついつい読んでしまうのだけど、この物語も鼓を持った松次郎や、家族、味噌屋の主人との交流がいい。初めての胡弓弾きから最後の胡弓引きまで短い文章のなかにも時間の流れを確かに感じる密度で、それが”分かる”ってことは自分も歳をとったのかなぁと思ったりした。ほかの作品と比べ最後が寂しいかんじがするのは、彼が再び物語を書き始めた最初の作品だったからかなぁ。

おじいさんのランプといい、近代化の影になくなってゆくものを尊ぶ気持ちが現れているところがすばらしい一冊です。

百姓の足、坊さんの足
百姓の足、坊さんの足新美 南吉

2015-01-10
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青空文庫で読んだ短編。百姓の足と坊さんの足はそれぞれ悪いことをします。それによって百姓の足にはばちがあたるけど、坊さんの足にはばちは当たらない。百姓ははじめそのことを恨みますが、だんだんなぜ自分の足だけが痛くなるのかその理由をさとります。
彼は素朴に自分の罪に気づき、坊さんをうらやまくなります。そして身を低くして生きる。この話はまったく関係ないのかもしれないけれど、生きていていいんだよと訴えかけられているように私には感じます。自分のありか、考えることによって気づく物事のたいせつさを感じる短編です。
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月夜野

東京下町在住・本・建築・ハチロク好き