スポンサーサイト

スポンサー広告
-- /-- --
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

目かくし

現代小説
07 /20 2015
目かくし
目かくしシリ ハストヴェット Siri Hustvedt

白水社 2000-04
売り上げランキング : 643178


Amazonで詳しく見る
by G-Tools


お友達に薦められて読み始めたのですが、最初はうまく読みすすめられなくて1章の真ん中で挫折しました。しかし、読み終えてというより、面白くて読んでいる間に終わってしまったというかんじでした。
一章は箱に詰まった思い出の品についてレポートを書くアルバイトをしているアイリスの話。無味乾燥なイメージでしたが後半からは一見ただのものである品に対する心情の羅列が次の心情を呼び起こし不思議な世界につれていかれます。この章では夜眠れずにあれこれと悩む彼女の表現が面白かった。俯瞰していながらどこか病んでいる彼女の感性をたどっているのが面白かった。
二章は写真に撮られたことで変わってゆく彼女の物語。それは意図していない出来事ながら、徐々に自分というものがあいまいになり翻弄されてゆく。写真をとったボーイフレンドとの関係、大学の友達との関係それらに対する彼女の細やかな心境の変化にすっかりはまってしまいました。
三章は病院に入院している彼女の闘病生活の話。闘病といっても彼女が戦っているのは隣に寝ている夫人との戦い。ねっとりとしかし精神をわずらっている夫人の不可思議なでもどこか気になる行動や佇まいに動揺しながらも惹きつけられている様子が伝わってきました。
四章は大学教授との関係の話。翻訳を手伝いながら、貧しいのなかアルバイトしたり夜の街をさまよったりして、現実と想像の世界がごっっちゃになってゆく。
と、ここまで書いて特に三章の後半からは、この作者の心情そのものであることに気づき、改めて本の帯をみて、ポールオースターの奥さんであることに納得。すごい文章です。ひきこまれっぱなしだったことにここにきて驚いたりしてました(とろいです、どこまでもとろい私)

一つ一つの感情を細やかに区別して描いている。前回書いたカズオ・イシグロの対話を思わず思い出してしまいました。心情を伝えるという意味でこの小説は素晴らしい一冊なのだなぁと思いました。

P207 フィクションは現実ではないんだよ
スポンサーサイト

コメント

非公開コメント

月夜野

東京下町在住・本・建築・ハチロク好き

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。