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これからの美術館事典

美術館・博物館
09 /19 2015
日曜美術館を観て面白そうだね、と娘と話していたら娘が先に行って面白かったといってたので、私も気になって行ってみることにしました。国立近代美術館。9月12日の土曜日の午前中にぼんやりしながら行きました。

Aから始まるアルファベット順に様々な美術館の仕事や美術展の企画の仕事やなりたちについて展示されていて面白かった。西洋美術館からもってきた絵画などもあり、なんだか違う場所で見慣れた絵があってそれも面白かった。
Aではアーキテクトとして日本の美術館がどのような経緯でできてどのように建築されたか、その流れを具体的に知ると今の美術館としての役割や建物としての用途の変化やこれからの多様性にどう対応してゆくのかが感覚的につかめた。たぶんそんなにわかってないのだけど、美術館と館員さんたちの苦労や日ごろどう思っているのかが少し想像できた。

美術品を展示することへの意味や疑問、どこまで深く考えるかで全然違うしまたそれを仕事としている館の人の思いの深さというのが伝わった。おもっていたんですよ、なぜ住宅や城の壁や居室を飾るための絵画や屏風をその空間から引き離して白くのっぺりとした光の空間にましてガラス貼りの中に入れて展示するのか。美術的価値を考えて保存を目的とすれば当たり前なのですが、京都の仏閣の暗い座敷の奥にあった銀屏風の輝きは美術館の人工的な光のなかでは絶対にだせない、そう思うと美術をだめにしているんじゃないかと思ってた時期もあって、そこを美術館の人は深く感じ取られていたんだなぁと解説を読みながら思いました。私の考えはまだまだ浅かったのです。

展覧会のための模型も面白かった。こんなふうに展覧会を企画するときは空間をイメージするのだなぁと思いました。映像の展示にはコンセントの設置を、立体物の場合の計画の仕方をスケッチされてて楽しく読みました。内装の施工図と大きく違うのは空間に記されている絵画の年代や作品名、普通の図面と違ってかっこよかった(職業病)。光やインターネットなどの情報と美術間との関係、展覧会の壁の設営の様子など、普段みられない様子がたくさんみられてよかった。いつも展覧会にいってガイド聞きながら学芸員の苦労というのはなんとなく想像してたけど、こんなに大変なんだなと思いました。

最後はYOUで美術館にくる私もその一部になりました
201509190939314bc.jpeg
隣には搬入の時に使った梱包材があり、それに貼られてるラベルが面白かった。ナンバリングの仕方とか中に入ってる品の名称の書き方とか独特で興味深かった。似たような仕事のはしっこにいるのでつい気になってしまいます。


そして四階に上がり常設展「誰がためにたたかう?」を観ました。これが…すごかった。戦争や時事の様々な作品があって、唸ってしまった。福島の公園を歩くインスタレーションや戦争の絵を展示している一角は今の時期とても重くのしかかってきた。ゼロ戦や兵士の絵はどれも戦争とはなにかを語っていて藤田嗣治さんの絵「アッツ島玉砕」は後ろに倒れる死者の顔がなまなましかった。日本人の顔だって思った。皇居のお堀近くて愕然と絵を観てたら、戦争画のコーナー出口で歳をとったおじさんが急に監視員の一人に声をかけて「こうやって皆戦争に行ったんだ」とおいおい泣き出されました。…当時の記憶を呼び起こすほどに絵には力がありました。

「農民は戦った!」には、死体の山から自分の息子を見つけた母の版画があり、何度も観てしまった。その瞬間の悲しみは私には想像もできないけど、でも身を引き裂かれるような気持ちであることはわかります。死んでほしくて出産をする母はいません。それが何のためだかわからないほどつらいものだと思います。最近つくづく思うんですが社会のためにどうして本来の生を否定するようなことが起こるのでしょう。人が増えすぎてしまったからなのかな。単純なものじゃないのはわかるけど、だからこそ素朴に疑問に思います。

もうひとつの企画展「事物-1970年代の日本の写真と美術を考えるキーワード」もよかった。作品一つ一つに丁寧な解説がついていて読みながら自分はどう感じるかというのを繰り返しました。特に展示すると必ず”不快だ”とコメントがくるバスルームという映像が面白かった。展示するなとまで言われたことのある映像をあえて展示して考えてみてくださいと解説がついてる。すごい。すごいいやな気持ちになったけど(笑)観ました。そして自分の中にある小さな”ずれ”に気がついた。面白い


常設展の藤田氏の猫の絵が以前ポーラの藤田展で見たものだった。ここに来たんだぁってちょっとうれしかった。あの展示の中には個人蔵と書かれたものがいくつかったので、どこに行ってしまうんだろうと思っていたのです。
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月夜野

東京下町在住・本・建築・ハチロク好き

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