バベットの晩餐会

映画
03 /26 2016
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先日BSで放送されたのを見ました。懐かしいなぁ、これ目黒の映画館で20代前半で見たなぁ。なにがなんだか分からずみてとても感動したのを覚えています。その後も何度かレンタルしてみたなぁ。映画全体は質素で年寄りばかり住んでいる田舎町の地味な印象なのに、心の残っているのは豊かで幸せな気持ちです。この映画を観た後のなんともいえない幸せな気持ちを思い出すたびまたみたくなってしまうのです。
今回もあの幸せな気持ちを思い出しつつ鑑賞。結婚前にふらりと見た映画は今の私にとって違う映画に見えました。
若かりし頃、美人姉妹に通り過ぎた二つの愛が彼女たちの晩年を豊かに彩る。こう見た時には娘の年齢だったのに、今では老いの信者側の気持ちです。

今回の鑑賞で気がついたのは老いてゆく人間の悲しい性と、老齢にさしかかた人たちの時間の過ごし方でした。なんというか、若くなくなってくるととかく愚痴が多くなるんですね。それは体がついてゆかないのと、いろいろ思い通りになることがなくなってくるからで、若い時だって思い通りになることなんてまずなかったんだけど、それは若さというか体力でどうにか乗り越えてこれたんですが、これが体力がなくなるとどうも愚痴っぽくなってしまう。そこらへんのメカニズムがこう体でわかってきました(笑)

でこの映画の全体の流れが俯瞰してみられるようになった。スエーデン軍人のローレンスは彼女マーチーネに求愛すらしないで去り、結婚して地位と財産を得て老齢をむかえる。フランスの歌手パパンがフィリパの歌声を好きになりつれて帰りたがるがそれを断る。しかし何十年もたってその厚意は家政婦バベットによって表に表れる。
秘めている華やかな心と反対に質素な生活をする姉妹。やがてそれはバベットが宝くじにあたってフランス料理を振舞いたいという出来事によって、過去が思い出が現れてくる。
反対側からみればそれは夢のようなことだけど、だからこそこちらの面を信じて生きていきたいと思う映画。たぶんこの美しい部分を信じないと人は生きてゆけないんだと思う。

食事のシーンが大好きです。裏で忙しく立ち回るバベット、料理のことはいっさい口にしないといいつつも次第に楽しくなってくる信者たち。なにより、愚痴ばかり言ってた人たちが互いを認め合い亡き牧師の話をすることによって、姉妹が幸せな表情になってゆくのがいい。それをまたバベットはみていない、そこもいいなぁ。そしてプロとして完璧な料理をふるまう姿もかっこいいなぁ。単純にこんなふうに料理ができたらいいなぁってみるたびに思ってしまう。料理したくなるなぁ。食べたくもなるけど(笑)

最後のバベットのせりふがいいですね
「芸術家は貧しくありません」

「世界中で芸術家の心の叫びがする。最善を尽くす機会がほしい」
この言葉をバベットにたくしたパパンはひょっとして、宝くじにあたったのではなく、最後の財産を彼女にたくしていたのかもしれません。彼女ならこうするだろうことを知っていたのかも。


小説はちょっと違ってもっと芸術によっているみたいですね

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2008年に幸せのレシピでこの映画を思い出していた。

この映画4月9日からリマスター盤上映されるようでうれしいです。
木靴の木もやってるなぁ、リバイバルうれしい
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月夜野

東京下町在住・本・建築・ハチロク好き