三岸節子仏蘭西日記カーニュ編

まじめな本
07 /30 2016
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2010年に三岸節子の展覧会に行き(5月に行ってます)読もうと買っておいた本をやっと読書。
実は新しい職場が、時間があるときは自分の好きな勉強をしていていいよ、と言ってくれるので、本を読めるのです。もちろん仕事が入れば作業をしなくてはなりませんが、ないときには静かにほおって置いてくれるのでとてもうれしい。同姓の人たちで、変な気を使わなくていいしのです。ずっと読みたかった本を持っていっては空いた時間に読んでいます。

「仏蘭西日記 カーニュ編」は、 昭和43(1968)年12月20日羽田を出発する日から、昭和46(1971)年12月31日までの3年間をまとめてあります。 節子のカーニュでの日々の生活の葛藤が赤裸々に綴られ、 「本物の風景画家」になりたいという決意と望郷の思い、節子の絵画に対する情熱が伝わってくる本。

63歳に息子とその家族とフランスに移り住み、画業に20年専念したときの日記。到着直後は体調を崩したり、体がだるいとか、言葉が通じないとか書きながらそれでも、描く事につき進んでいます。日記というのは自分のために書いているので、矛盾していることが記されているのが面白い。
日がたつにつれ、日本を懐かしく思ったり、これじゃだめだと描く事に集中したり、孫の太郎のやんちゃぶりに困ったり、孫に甘い自分を反省したり、普通のおばあちゃんだったんだなぁと思う反面、三越や画廊に絵を書いては送ったり、暮らしの手帳のコラムを送ったり、画家としての仕事の様子も伝わってきました。

面白いなぁと思うのは三人の子供と嫁や孫など家族に対する視線。実兄をとても嫌がっていたのに、最後のほうでは、似ている部分があることを自覚して、パリで会うのを楽しみにしている。気の強いどうしようもない性格だと自分を反省する反面、嫁との不仲にいらいらしたり、子供達の不平につきあい、旅行に出ると楽しいけど帰ってくるととても疲れるという。
生きている温かみを感じる生々しい日記でした。

途中三島由紀夫の割腹自殺についての考えが述べられているのだけど、まっさらな意見ではっとしました。日本から遠く離れているのもあるけど、自分の意見をはっきりと述べています。言われてみるとその通りだなと思わせる。まっすぐな意見。

絵に対しても自分に対しても社会に対してもまっすぐに物をみつめた人なのだなぁと思いました。
ピカソはあまり好きじゃなさそう、ガウディも好きじゃなさそうでした。
プラド美術館は絶賛していました。ギリシャなどヨーロッパを観てあるいたときの感想も面白かったです。
また三岸さんの絵が見たくなりました。
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月夜野

東京下町在住・本・建築・ハチロク好き