優しい音楽

現代小説
10 /22 2006
優しい音楽優しい音楽
瀬尾 まいこ


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以前から気になっていた本で、予約がなくなり図書館の棚に並ぶようになったので、読みました。

優しい音楽:朝の通勤途中に女子学生に声をかけられた、あまりぱっとしない二十歳過ぎの設計事務所に通う男性の話。
よく分からないまま話がとんとん進んでゆくのだけど、最後に素敵な結末が待っている。人は一つの出来事によって様々に変わってゆくけど、それが紙一重でいいほうへと流れている話。軽く明るくというのが、単なる軽薄さとは違う良さを表している話。

タイムラグ:結婚記念日に旅行にゆく夫婦の8歳の子供を預かる愛人女性の話。
始めの数ページで『なんじゃこりゃー』と思ったんですけど、展開が面白いです。最低な奴だーと思っていた彼氏が実はちょっといい男で、とっつきにくい彼に似ていない子供がかわいい子になる。お母さんに言われるままハリー・ポッター炎のゴブレットを読む娘、今っぽくて面白いです。
この娘が愛人の深雪に色々な意見をいいだす。この時期の子供が自分の意見をはっきり持ち言うことができるって、成長の証なんです。それを深雪はさしておどろきもせず、でもちゃんと主張を聞いてあげる。譲歩したり意見しあったりしてゆく流れが心地いいです。子供としてではなく人間として付き合ってゆく姿が素敵な話でした。
深雪が自分をおばさんと呼ぶなとか、化粧をして着飾っている自分はおばさんじゃないと主張しているくだりが面白かった。学生時代に読書をしているボーイフレンドがかっこいいと思っていたけど、それは現実を見ない只の逃避している男だと気付いたというくだりもいい。本の中で経験することは経験には入ってないという主張が彼女らしくて心地よかった。

がらくた効果:一年半の同姓生活を続けているカップルの女性が、佐々木さんという公園で路上生活をしていた中年男性を連れてくる話。三人は不思議な生活を始めます。
人を拾ってくるという話は何度か読んだことがあるので、またか…と思いながら読んだのですが、設定がよく展開が分かりやすかった。そうだよなーと思える部分が多くて、面白かった。一緒にだらだらしたくなる(という感想も変か…)佐々木さん家にも来て欲しい(笑)。漢字の話とかしてほしいなぁ。箱根駅伝のくだりがよかった。
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月夜野

東京下町在住・本・建築・ハチロク好き