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ダロウェイ夫人

イギリスの本
05 /20 2007
ダロウェイ夫人ダロウェイ夫人
ヴァージニア ウルフ Virginia Woolf 丹治 愛

集英社 1998-07
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なんとか読破。難しい部類の本です。以前に二回読もうとチャレンジして始めのほうで挫折してました。感情の流れがテーマの本ですが、誰のことを語っているのか、何の場面を表現しているのかが分からずに、読めなかったのです。
今回ラジオ講座の解説を聞き、なんとか読み進むことができました。新しい小説を目指そうとしたウルフの気持ちに重点を置いて読んでみました。

文章が延々連なっていて、どこからが見た表現なのか、どこからが時代を超えているのか、どこからが感情表現なのか分からなくて、まごついた。それ自体を楽しめばいいんだと思っているのだけど、いつまでたっても小説に入り込むことができなかった。
なんとか読めてきたかなと思う頃には、戦争や別な場所での事柄が続き、また気付くと夫ダロウェイの心情になっていたりして、それが僅かな一文(または一節)で変わってゆくので、気持ちを一緒に切り替えるのが大変だった。

途中で内側と外側を意識しないようにして、全てを受け入れる気持ちで読んだら、なんとか読めた。読んでいる一文がどこに属するのか、作者の意識のどの部分にあるのかを考えながら読むと読み進められなくなったので、流れのまま流されるように、意図されていることを気にしないように読みました。
このような精緻な文章は細部にわたって分解するように解析するのではなく、文章の感じを楽しむように、少し離れて読んだほうが、私は読み進めることができるので、その方法で読んでみました。

と、内容に触れないまま、ここまで書いてしまいました。それほど私にとって難しい小説でした。ダロウェイ夫人が一日をすごす、ただそれだけなのに、とても難しい小説でした。

長くなるので続きは以下に…
戦争の影、死の影、それに対応する生きる喜び、日常の瑣末なことの中に見出せる楽しさ、軽い、または重い悲しさ、通じ合うもの、通じ合わないもの、美しいもの、醜い感情、生きることの純朴さ、悲しさと寂しさなどが、ないまぜになって、一人の人の心の中にあるといった、そんな小説でした。
しかし、どこまでいっても、ダロウェイ夫人の一人よがり(または作者の世界の限界)と感じてしまう。そこがまた画策されたものだとすると、ぞっとするほどいい小説です。

最後はピーターがはっとすると目の前にクラリッサがいるという終わりなんですが、この最後が象徴的。このクラリッサってきっとウルフ。私はそう感じました。その視線の存在感、視線そのものがきっとウルフなんですね。分かりきってますか(汗)。

後書きといい、さわると切れそうなほど美しい文章に、恐怖さえ感じました。

小説の技巧小説の技巧
デイヴィッド ロッジ DaVid Lodge 柴田 元幸

白水社 1997-06
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この本で前回読んだ、ハワーズ・エンドとこの本の解説が載っています。読み返してみて、そうかーと思う部分が多い。まだまだだなぁ。(2006年1月に読了しています。当時文章を書いていた私はやたらと動揺しました。今読み返してみても、どきどきします(笑)当時はダロウェイ夫人もハワーズ・エンドも読まずに解説を読んでいたんだけど、こうやってもとの本を読んでから読み返すと、また違ったどきどきです。分かること分からないこと、ショックなことがたくさんある)

映画も見ました。
ダロウェイ夫人【字幕版】ダロウェイ夫人【字幕版】
マルレーン・ゴリス ヴァネッサ・レッドグレーヴ

ポニーキャニオン 1999-12-17
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とても美しい映画でした。ダロウェイ夫人の女優さん(ヴァネッサ・レッドグレーヴ)が素敵でした。演技も素晴らしかった。映画をみて、『あ、こんな感じなのね』と腑に落ちた部分もあったほどです。この時代の背景やちょっとした出来事の意味が映像になることによって分かりやすくなっていたように思います。

もともとダロウェイ夫人を読みたいと思ったのは
The HoursThe Hours
Michael Cunningham

Fourth Estate 2003-02-03
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を見て
めぐりあう時間たち―三人のダロウェイ夫人めぐりあう時間たち―三人のダロウェイ夫人
マイケル カニンガム Michael Cunningham 高橋 和久

集英社 2003-04
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を読んだのが、きっかけでした。
この原題「時間」というのはダロウェイ夫人にウルフが考えていた最初の題名だと今回の読書で知り、面白いなぁと思いました。
他にも本、映画ともにカニンガムの小説とからむところがあり、楽しかった。時間を点にする感じが臨場感いっぱいに伝わってきたという感想です。

本を愛しなさい本を愛しなさい
長田 弘

みすず書房 2007-04
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に、ウルフ夫婦についてのエッセイが載っています。
「めぐりあう時間たち」のコメンタリーでの監督と作者が語るウルフ夫婦像と微妙に違います。この夫婦は一体どんな生活を送っていたのだろうなと、1900年代を思いました。それぞれ違ったウルフ像があって、面白いです。
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月夜野

東京下町在住・本・建築・ハチロク好き

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